ホームシックとテレサ・テンの歌

5月8日は「八田與一」の命日ですが、もうひとり台湾と日本、いやアジア全域で有名だったテレサ・テン「鄧麗君」の命日でもあります。

1970年代から1990年代にかけて、中華文化圏全域ないし日本、タイ、マレーシアなども含めたアジアにおいて広く人気を博しました。
その業績から、生前から没後も「アジアの歌姫」と呼ばれています

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*テレサ・テン記念公園(墓地になっています)

1995年5月8日、静養のためたびたび訪れていたタイ・チェンマイのメイピンホテルで気管支喘息による発作のため死去。42歳の若さでした。

また、テレサ・テンの話題ですが、私は本当に彼女の歌が好きなのです。

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以前、台湾で学びながら働いていた時、私も人並みに「ホームシック」にかかり、鬱々とした毎日を送っていたことがありました。好きだった中華料理もさすがに毎日だと食欲も出ないし、何よりも暑いのには参りました。(クーラーもなかったので)

毎晩、《吹きすさぶ、北風の中を寒さに震えながら歩く》姿を、夢の中で懐かしく見たものです。それほど日本の冬景色と日本料理が恋しくてたまりませんでした。

そんな時、テレサ・テンの歌う日本の歌「雪化粧」を聴いたのです。その時の日本語の美しいこと!
言葉がすーっと心に染み入るのを感じました。



まるで干ばつでカラカラに乾いた地面に、水が染み込むように体全体に日本語の美しい調べが染み込んだのです。本当に涙がボロボロと頬をつたいました。日本語がこれほど気持ちよく、心に染み込むなんて思いもよりませんでした。

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それからというもの、日本の歌ばかり聴いてきました。それ以来の大ファンなのです。(今では中国語の歌もよく聴いています)


ジェルソミーナの歩いた道


Return Tokyo (リターン東京)

台湾での中国語のストレスが相当あったのでしょうか、何の抵抗もなく心に飛び込んでくる言葉の気持ちよさ。これなど外国で勉強や働いたことのない人には理解できないでしょうね。(私が台湾に行った頃はまだ、コンピューターがあまり普及していなくてネットなどまだ見られませんでしたから、Youtubeなどだいぶ後のことです。)

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*心凍らせて:台湾の気候とは正反対の寒々した歌が彼女の雰囲気にぴったりでしたね。


*想起你:あなたを思い出し・・・(リターン東京の中国語版、歌詞内容は全く違います)


今年も5月8日は多くのファンがお墓にお参りに訪れると思いますが、私は念願のお墓参りが3月に出来ました。そこでは、今まで美しい歌を聴かせてくださったことへのお礼を伝えてきました。・・・・・・

きっと、これからもずっと聴き続けてゆくと思います。

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過去記事:「鄧麗君 記念公園に行ってきました」(2019年4月)
過去記事:「台湾のCDショップとテレサ・テンさんが卒業した小学校を訪ねる」(2018年6月)もご覧ください
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追記:5曲ご紹介しましたが、寂しい曲ばかりでしたね。全く私の好みだけで選んだので、寂しい悲しい曲ばかりになってしまいました。他には明るい楽しい曲もたくさんありますので、どうか誤解しないでください。

NHK朝ドラ「まんぷく」が終わってしまいました!

台湾出身の即席めんの発明家、安藤百福氏の奥様をモデルにした、NHK朝ドラ「まんぷく」が3月29日とうとう最終回を迎えてしまいました。

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今まで、こんなに熱心に朝ドラを見たことはありません。仕事で見られないときは録画して帰宅してから見たほどです。

なぜドラマに興味があったかというと、台湾出身の安藤氏のことだったので、きっと台湾も舞台になるんだろうな。と、勝手に思い込んで楽しみにしていたわけです。

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ところが全く、最後までそんな展開はなく、あっけなく終わってしまいましたね。

まあ、この点においてはがっかりしましたが、ドラマ自体は面白く、即席めんが出来るまでの苦労がただものでなかったということが分かったので良かったと思います。

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あんなに苦労して、こんなにおいしく栄養のあるものを作ってくれたのかと、思うと感謝しかありません。

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大げさではなく、私の体の何パーセントかは、「即席めん」で出来ていると言っても過言ではないほど食べてきました。単身赴任で食事もままならなかったときなど、本当にお世話になったものです。

それと、この即席めんを作った時の「製法特許」を全て公開したという事実を知って、本当に感動してしまいました。この英断があったからこそ、現在の即席めん業界の繁栄があるのだと思いました。

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日清食品以外の会社でも,同じような美味しくて、栄養たっぷりの麺があるということは、すべて安藤百福氏のおかげだと思います。

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困っている人を助ける精神、食べ物に対しての飽くなき探究心、また進取の精神。これらは台湾の人々の根底に宿っている精神だと私は思っています。

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安藤百福氏が台湾人でなかったら、ここまでラーメンにこだわらなかったと思います。台湾の人だったからこそ、こんなにおいしいラーメンができたのです。

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台湾に行くたびに、夜市の屋台の安っぽいお店でも、必死に新しい食べ物や飲み物を考案してお客を喜ばせようとしています。この精神があればこそ、いつもなにかしら新しいものが生まれているのです。

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*即席めんの写真は台湾のスーパーで撮りました。牛、豚、鶏、素食(野菜)などいろいろな麺が売られていました。

日清食品の安藤百福氏のような食への飽くなき「探求者」がどっさりいる台湾、本当に素晴らしい国です!

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好調ドラマ「まんぷく」が描かなかった物語

前回、連続朝ドラの「まんぷく」の立花萬平が台湾出身の安藤百福氏をモデルにしたのに、一度も台湾のことが出てこないのはなぜだろう~と書きましたが、ネットで調べていると次のような記事に出会いました。

ジャーナリスト:野嶋 剛氏の「「好調ドラマが描かなかった物語」なぜNHK「まんぷく」は、安藤百福の“台湾ルーツ”を隠したのか」という記事です。
これを読むと、ドラマを見て私が感じた違和感を払拭してくれたのです。(興味のある方、どうぞクリックしてご覧ください。なぜ即席ラーメンが発明されたのか?という疑問も晴れることでしょう)
野嶋 剛氏は下記の「タイワニーズ:故郷喪失者の物語」という本を著していて日本に住む台湾人の苦悩を克明な取材と共感をもって紹介しています。

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*野嶋 剛:「タイワニーズ 」故郷喪失者の物語 小学館:単行本1620円
本の内容(「BOOK」データベースより)
「日本は台湾を二度も捨てた。それでも彼らがいたから、強く、深くつながり続けた。在日台湾人のファミリーヒストリー」
メディアやネットで取り沙汰されたやりとりを眺めていると、日本人は、在日台湾人が歩んできた道をほとんど知らないのではないかという思いを抱きました。日本は台湾を二度も捨てた、と台湾では言われているのをご存知でしょうか。一つはポツダム宣言による台湾の放棄、もう一つは1972年の中華民国との断交。それでも両国がつながり続けたのは、両国を行き来した「人(タイワニーズ)」のおかげである、と筆者は述べます。タイワニーズの営みと歴史を教えてくれる本書は、同時に、国とは何か、国籍とは何か、という問いを我々に与えます。

本の目次を見ると:【目次】
・蓮舫はどこからやってきたか
・日本、台湾、中国を手玉にとる「密使」の一族 辜寛敏&リチャード・クー
・「江湖」の作家・東山彰良と王家三代漂流記
・おかっぱの喧嘩上等娘、排除と同化に抗する 温又柔
・究極の優等生への宿題 ジュディ・オング
・客家の血をひく喜びを持って生きる 余貴美子
・「551蓬莱」創業者が日本にみた桃源郷 羅邦強
・カップヌードルの謎を追って 安藤百福
・3度の祖国喪失 陳舜臣
・国民党のお尋ね者が「金儲けの神様」になるまで 邱永漢

などと、台湾をよく知っていたつもりの私でも知らない人物のヒストリーも沢山載っているようです。是非とも購入して読んでみようと思っています。これを知ることでもっともっと台湾のことが好きになると信じています。

今回は台湾旅行とはあまり関係はありませんが、より良く台湾を知るきっかけになるのでは……と思いご紹介しました。

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*台湾で買ったジュディ・オングさんの主演映画「愛の天地」のDVD

野嶋 剛:タイワニーズ
故郷喪失者の物語 小学館

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